 | 『顔』 松竹 price : ¥2,800 release : 2005/12/03

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【商品詳細】
母の葬式の日、仲の悪かった妹を殺してしまい、逃亡生活を続けるはめになった中年女性・正子。しかし、転落していけばいくほど、なぜか彼女は魅力的に輝き始めていく…。 喜劇名優・藤山直美の映画初出演が話題になった、一風変わったヒロイン映画。これまで男の世界を描き続けてきた阪本順治監督は一転して、はじめは引きこもり気味の生活を送っていたネクラ女性が、次第に別人のようにタフになっていく過程を、実にリアルに、そしていつしかさわやかに活写していく。同年度の映画賞主演女優賞は当然ながら、ほぼ彼女が独占した。彼女に絡む共演者も、豊川悦司に大楠道代、國村隼、さらには彼女の処女を奪う通りすがりの男に何と中村勘九郎など、いずれもひとくせもふたくせもありそうなのがいい。(的田也寸志)
さまざまな思索のきっかけを与えてくれる作品
ひきこもりがちな(おそらく対人関係の構築など社会生活面で軽度の障害を持つ)主人公、正子が、次々と事件にまきこまれて逃亡していくストーリー。ストーリー設定では、彼女は母親の葬式の日に、彼女の障害を理解せずに心ない言葉をなげつける妹(この場面では、障害のある姉と障害のない妹が家族としての人間関係をどのように作っていくかについてカウンセリングなどの専門的サポートが必要であることも教えられた)に憎しみを感じ、絞め殺してしまったということになっているが、彼女は本当に妹を殺したのだろうか、私にはどうも疑問に思う。彼女の想像や脅迫観念と警察などから容疑者として追いかけられる状況とが相俟って冤罪が生み出されてしまったのではないか、そのような冤罪発生の可能性もある、と思うのである。彼女の逃亡を新聞記事やテレビワイドショーが追いたてる、つまりマスコミの在り方について考えさせられる場面も出てくる。事件・事故の究明・解決は社会生活の安全性の保持の点から重要なことであるが、この作品では逃亡する正子の心情を追うことにより、容疑者の人権は被害者の人権同様、尊重する必要があることに気付かされる。さまざまな思索のきっかけを与えてくれる作品なので、ぜひ多くの人に鑑賞を呼びかけたい。正子を演じる藤山直美は、幼少から父君、藤山寛美の指導を受けて育だったかいあり、その演技力には感動する。
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