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あ・うん

あ・うん
あ・うん
東宝
price : ¥4,725
release : 2005/01/21

【商品詳細】

   昭和10年代の東京・山の手。羽振りの良い中小企業の社長・門倉(高倉健)と安月給のサラリーマン水田(坂東英二)は見かけも性格も正反対ながら、硬い友情で結ばれている。しかし、女出入りの激しい門倉だが、実は水田の妻たみ(冨司純子)のことをずっとひそかに思い続けていた…。    向田邦子の同名原作を監督・降旗康男、撮影・木村大作、主演・高倉健の黄金トリオで映画化したヒューマンドラマの秀作。ここでの健さんは笑顔も多く、市井の等身大の姿をさりげなくも見事に演じきっている。また、健さんとは東映仁侠映画時代の盟友でもあった富司純子(かつては藤純子)が久々に健さんと共演することも大きな話題となったが、そのコンビネーションは完璧といってもいいほど。浅川朋之の情感あふれる音楽も絶品である。(増當竜也)

昭和初期、戦渦前夜の幸福な時代

 向田邦子原作。隆旗康男監督。

 昭和初期のきなくさい軍国主義が押し寄せる前の、つかの間の平和を謳歌する東京・山の手を舞台に、男の友情を軸にした二つの家族模様を描く人情ドラマ。

 軍需景気の恩恵を受け、羽振りのいい中小企業の社長であり兄貴肌の門倉(高倉健)と、まじめ一筋の転勤族水田(板東英二)の子供のように無邪気な関係にしみじみ、水田の妻たみ(富司純子)の愛らしさがほっこりさせる。

 募るたみへの想いを胸に秘めつつ、水田と家族ぐるみを続けるが、募る想いがやがて水田と絶交という最悪の選択でけじめをつけようとしてしまう。徹底的に避ける日々。その不器用さがもどかしい。

 家族ぐるみの付き合いといっても、全てを開襟しているわけではない。「一番大事なことは人には話せない」。その歯止めがあるからこそ、徹底的に付き合える。その禁を破った時、関係はあっけなく崩れ去る。

 物語は、最終的に仲直りし、ハッピーエンドを迎える。しかし、本当にそうだろうか。門倉のたみへの想いはおそらく変わらないだろうし、たみもそうだろう。この奇妙な三角関係は振り出しに戻っただけである。

 そして、時代は本格的に戦争の道をひた走る。軍需景気の恩恵を受ける門倉も、ジャワ等海外進出していく会社勤めの水田も、苦難の時代を歩んでいくだろうことは想像に難くない。娘さと子の愛した青年もおそらく戦死だろう。

 その意味で、これはつかの間の平和な時間に起きたドラマなのである。彼らには今後おそらく大きな悲劇が待ち受けている。だからこそ、何とも言えない悲しい気持ちがすぐ傍に横たわっているのだ。

 戦争を知る向田だからこそ描ける、不穏な時代に一瞬輝いた閃光のような輝きを放っている。久しぶりに映画で涙した。

高倉健

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