日本人に人気のゴッホ
今年も竹橋でゴッホ展が開催され、かなり大入りであった。それに象徴されるように日本人はゴッホが好きである。いわば、なぜ好きなのかという問いにも答える本であると私は思う。 この本はいかにゴッホが日本に紹介され、受け入れられ、その受け入れ方がいかに変容していくかという点について書かれている。 ゴッホは「白樺」という雑誌を通じて日本に紹介されるのだが、その購読層はといえば、文学・美術青年達であった。こうした人々の描く絵画は必ずしもゴッホ風ではない。しかし口ではゴッホを賛美し、讃える。それはゴッホ的な生き方に憧れているのであり、彼の作品ではない、という事が分かり笑ってしまう。これは、当時の若き作家たちだけではなく、現在でもそういえるのではないだろうか。例えば「生前一枚も絵が売れなかった」であるとか「恋人に自分の耳を切って送りつけた」であるとか「精神病であった」とか「貧乏であった」という点である。こうしたエピソードが人々は大好きであり、そうしたバイアスをかけて作品に接しているのである。 非常に面白い本であった。
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